071 岡本が脚光を浴びるたび、松井秀喜と坂本勇人が登場する。巨人で「高卒野手1年目」から活躍するのは、それだけ難しいということだ。 07年9月6日のナゴヤD、延長12回2死満塁。代打でプロ初安打初打点をマークし、坂本勇人のサクセスストーリーが始まった。残りは、泣いても笑っても10試合。せめて気持ちだけでも8年前に「逆回転」して、逆転V4に導いてもらいたい。 匿名さん2015/09/24 04:19
072 若かりし頃、アマ野球担当キャップを4年ほど務めた。最重要任務は巨人のドラフト1位をライバル紙よりも早く、正確に報じることだった。おのずとスカウトの方々へ取材する機会が多くなった。あるスカウトの言葉が忘れられない。 「ドラ1の選手は、特別な存在だよ。1年間、暑い日も寒い日も必死に見定めてね。スカウト部として『我々が最も推すのは、この若者です』という思いをこめて、現場に送り出すわけだから」 新人合同自主トレに初のキャンプ。報道陣の過熱取材に遭うのも、巨人のドラ1の宿命だ。良識派は言う。「まだ新人じゃん。そっとしておいてやれよ」と。だが前述のスカウトの見解は違った。 「そんなの全然プレッシャーに感じてほしくないよ。だって超満員の東京ドームで堂々と戦わなくちゃいけないんだから」 この日のオーダーを見て驚いた。スタメンには坂本、長野、大田、岡本、小林、菅野と歴代ドラ1が6人も並んだからだ。アンチ巨人が叫ぶ「ヨソからエースと4番ばかり集めやがって」は、もはや過去の話と言っていい。 匿名さん2015/09/24 04:30
073 事実上の「負けた方がV逸」マッチ。両軍の重圧は想像に難くない。そんな一戦でタイムリーを放った3人はいずれもドラ1。猛虎打線を7回無失点に黙らせたのもドラ1。最終回を封じ、33セーブ目を挙げた守護神も、これまたドラ1だった。 入団時から活躍を義務づけられ、伸び悩めばボロクソに叩かれる。そんな試練を乗り越えてこの秋、男達は東京Dの戦場に立つ。プレッシャー? どうってことねえ。入った時から慣れてるよ。そう言わんばかりに。 スタメンから阿部と村田が外れ、2連勝。秋風が吹く中、世代交代は緩やかに、着実に進んでいる。この日は東京DとG球場で計5万245人が巨人の勝利を見届けた。両球場とも、その中核をなすのはスカウト陣が汗を流して獲得に至った、生え抜きの男どもだ。 てなわけで運命の「10・22」(ドラフト会議)まで、残り1か月。巨人が1位で指名する逸材は、いったい誰になるのだろうか。他紙に負けないよう早く、正確に報じていきたいものです。 匿名さん2015/09/24 04:31
074 9回2死から空振り三振に倒れるなど、4打数無安打3三振。「このままではいけない。見ての通りなので、1打席でも早くいい状態になるように強い気持ちを持って、準備の段階からベストを尽くしていきたい」 匿名さん2015/09/24 04:48
077 ガッツポーズはない。笑顔もない。二塁ベース上、坂本は息を整えながら、淡々とバッティンググラブを外した。 「1点が重い展開だったので、先に点を取れたことが大きい」。0―0の6回1死二塁。岩崎のインハイ直球をとらえたライナーは、左翼フェンスを直撃した。安打は11打席ぶり、打点は実に24打席ぶりだった。 チーム69勝のうち、約4分の1となる今季16度目の勝利打点とはなったが、ここ数試合はどん底にいた。15日の広島戦(マツダ)、痛恨のエラーで決勝点を献上。菅野の力投をフイにすると、打撃にも陰りが出始めた。 右肩が下がり左肩は開く―。かつて「持病」とまで言われたポップフライが激増した。20日・中日戦(ナゴヤD)では4打数3三振に終わり、広島戦から5戦20打数2安打。原監督からも「主将がクルックルッと三振しているようでは話にならない」と断罪された。 匿名さん2015/09/24 13:28
078 もちろん責任は感じている。だが、落ち込むことはなかった。オフにキャプテンを任された時、「苦しい時でも絶対に下を向かない」ことだけは守り抜くと決めていた。前任の阿部を始め、歴代の中心選手たちは誰もがそうだったからだ。この日の試合直前も、ドリカムの名曲「何度でも」のサビを裏声で口ずさみながら、どっかりとベンチに腰を下ろした。 相手左腕に対し、初回2死では初球141キロで二飛。4回無死でも、フルカウントから高め直球で二飛に倒れた。「真っすぐが思ったよりも来ていた。タイミングの取り方は大きく変えていませんが、自分のスイングの形で、と。修正することができました」。重圧から逃げずに戦ってきたから、冷静でいられた。 試合前の練習中、肩の開きや踏み込みを助言していた指揮官は「今までが本来の力を出していなかった。こういう時に勇人がぐんぐんチームを引っ張って、攻守にわたってやってもらいたい」と注文をつけた。 坂本も「レギュラーで試合に出ているので、常に結果を求めてやっています」と言い切った。これで復活…とは誰も、そして本人も思っていないはずだ。 匿名さん2015/09/24 13:29